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愛をもっている、だから大切に育てようとしている。 この点に関する限りは、決して植物いじめではない。 まことにお言葉のように、われわれに誹誇されるいわれはないのである。 しかし、冷静に考察してみると「自然の歪曲」という誹誇に対して、の間題に答えていない。 いいかえれぱ、「育てる面」に対しては、「生まのままの自然」よりもかえって愛をもって優遇していると反論されたが、狭まくるしい鉢の中に閉じこめて大きくさせず、針金をまきつけて仕立てるという「整形の面」については、なんら答えられていないのである。 あるいは生まのままの自然が決して幸福ではない」という意味の言葉が、その答えになっているのかも知れないが、それだけではあまりにも独善的にすぎる。 たとえば、こういう問いかけがある。 ⑤このようなとき、観覧する者は、多少なり世界に誇る日本の鉢植えやサツキに関心はあっても、すべての人が「美的感覚」に優れているとは限らない。 「美的感覚」が優れている者は、形の大きさよりその芸術的な優れを見るであろう。 しかし、私の見るところ、半数あるいは過半数の人たちは、「芸術的微妙な点」よりも、大きさに圧倒されることが多いようである。 出展する方も然りで、世界に誇る日本の鉢植えは「小世界に誇る日本の鉢植え」や「豆世界に誇る日本の鉢植え」の愛好者を除き、必然的に大型化へと移行してゆく。 国風展に見る大型化の傾向などもこの↓例であり、否定することはできない。 ⑥展示会の当事者は、こうしたことへの懸念から、大きさに「枠」を設け「大型世界に誇る日本の鉢植え」「中型世界に誇る日本の鉢植え」「小型世界に誇る日本の鉢植え」(あるいは小品世界に誇る日本の鉢植え)などと分苛る。 ここまでは正しいと思う。 しかし、こうした中には、それを拡大していったとき、自然界には存在しないようなものが展示される可能陛があリ、それがこうした「分け方」の「枠」で守られるとしたら、それはある意味で「ナンセンス」である。 例えば、黒松などで、幹の直径が20㎝もあリ、鉢ともの重さが30㎏あっても、樹高が45㎝未満で方ったら、それは「中世界に誇る日本の鉢植え」である(私も、極く少しではあるが、こうした世界に誇る日本の鉢植えの製作をしているが)。 一方「文人木」で、幹の直径が1阻せいぜいであって、重さが2㎏程度でも、樹商が50㎝以上あれぱ、それは「中世界に誇る日本の鉢植え」の「枠」を超えるから、「大型世界に誇る日本の鉢植え」と見なされる。 これは、どうみても不合理である。 ⑦ボクシングやレスリングなどのスポーツも、入の背丈ではなく、すべて「ウェート制」をとっている. こうした観点から、私は長年「世界に誇る日本の鉢植えのウェート制」導入を提唱している。 新しい試みには、常に抵抗が付 きまとうのは習わしだが、ノウハウ はべつとして、検討くらいはしてみたらどうだろうか。 ⑧入間.年をとるとしだいに力も衰えてきて、大きい世界に誇る日本の鉢植えの取扱いは困難になる。 私の親しい世界に誇る日本の鉢植え屋さんでも、「この頃、大型世界に誇る日本の鉢植えを止めて、中型に移る人が増えてきた」という。 |