こんにちでは、一〇〇以上の品種の羊が世界中のいたるところに分布している。 これらのなかでもっとも風変わりな羊は、もっとも古い品種でもある、アジアのアルガリ[別名バンヨウ]の直系の子孫である。 アルガリは太い尾をもった羊で、その肉は北アフリカやアジアの特定の地域で賞味されている。 この種類はアッシリアの浮き彫りにも見られ、特異な太い尾によってすぐに識別することができる。 紀元前五世紀にさかのぼり、ヘロドトスはこれらの羊の奇妙な飼育法について次のように述べている。 「アラビアには二種の羊がおり、これは他のどこにも見られぬもので、まことに驚異に値する。 その内の一種は尾が長く三ペキュス[約一・三メートル]を下らない。 もしそのまま引き摺らせておけば、尾が地面に擦れて擦り傷がつくはずである。 ところが羊飼たちはいずれも良い大工の腕をもっていて、小さい車を作ってこれを尾の端に結びつける。 一頭ずつ羊の尾を、その車一つずつに縛りつけるのである」(ヘロドトス『昔からの言い伝え』[巻三、:三節]、松平千秋訳) ヨーロッパでも、スイスの湖上住居者の部落の発見で証明されたように、羊ははじめのうちは食肉用に飼育されていた。 文明発祥のアフリカの地では、同じような食肉種の羊が飼われていた。 百花さきがけのウメ。 ウメは分類学上バラ科サクラ属のウメ亜属として分類されています。 数多くの品種があ りますが、そのどれもがウメという一つの種類に集約されます。 品種は便宜上、花の鑑賞を主眼とする「花梅」と、実の収穫に重点をおく「実梅」の二つに分けられ、花梅は三百種以上あワ、これがさらに野梅、緋梅、豊後の三つに大別されています。 野梅性……原種に近く、樹勢が強いので挿 木でも増える。 花は白が多い。 緋梅性……木質部が赤く、花は紅色が多い。 豊後性……ウメとアンズの間種で、花も葉も大形。 花はピンクが多い。 実梅の方は花梅 ぼど数はなく、約百種。 梅郷、鶯宿、豊後、稲積、養老などの比較的よく知られる品種です。 全国的に栽培されるものは少数で、地方ごとに特色ある品種が見られ、気候風土との相関性が伺われます。 ウメの原産地は中国大陸といわれ、わが国へは奈良時代、唐から伝えられたといわれま す。 最初は、青梅を煉蒸乾燥させた「鳥梅」が薬としてもたらされ、その後に樹木が渡来して各地に植栽されるようになったようです。 そしてその直後から、朝廷では梅見の宴がしばしば行われるようになったようです。 |