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この花なんのはな


この花なんのはな

多くの国、とくに南米ではリービッヒ固形ブイヨンの大量生産がただちに開始された。

このエキスの栄養成分については無理な要求がつけられた。

そして、医薬業界から政府の軍事関係者まで、すべての人びとはブイヨンの長所について論じた。

「肉のエキスは飢えの苦痛をやわらげ、戦場では軍隊の機動性を増大させる。

やや濃い目にして飲むと、このスープは胃にほどよい暖かさを与え、脈はくと心臓の鼓動を強め、尿の排渡をうながす。

このように、すみやかな物質代謝と、いろいろな好結果が生まれる。

これは、むしろ医学への利用の分野である」 残念ながら、しばらくしてこのエキスは、科学がいまだに探し求めている「食料丸薬」ではないことがわかり・これに対する熱はさめてい・た・すなわち・その栄養析は・套そう美評価されていたのである。

肉の罐詰め工程の発達につれて、エキスの評判はさらに下落した。

けれども、この固形ブイヨンは現在でも急いでつくる必要のある多くの料理の材料として使われており、世界中であまねく利用されている。

プラスチックが現れる以前は、身近な生活雑器のモノサシや籠、農業朋具としても。
広 い分野で重要な役割を果たしてきたのである。
現在では。
正芸の慨界でも}つの分野とし て。
秀れた作品が注目されている。
華道の世界でも花入れとして。
「圏城寺bなどの名物 を初めとして幾多の名品が残されており、茶の世界でも。
茶杓。
茶籍は竹製であり、伝世の名物も数多く残されている。
利休とか遠州公の作ともなれば値段のつけようもないほどの貴重品であり、ダイヤモンドよりも高価と恩われる。
生活の串でも筍は。
季節の味覚として欠くことのできぬものであり。
それが竹となる期 間の驚異的な生命力。
人間の世界でも人の親は、その素晴らしい生命力を我が子に託したことも顧けることである。
風最の世界でも。
入家に密接した場合も多く、離れて見る時は団々とした葉の繁りの柔 らかな風情。
一歩竹林に足を入れて見れぱ、その力強さ整然とした奥行きには。
圧倒される恩いである。

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