わが国最古の医学書『医心方』(AD九八四年成立)にもその名が見出され、江戸時代の「和漢三才図会』や『飲膳摘要』などの書籍にも梅干しの作リ方や効用が数多く取りあげられています。 明治時代になると各地で疫病が流行しますが、その治療と予防に梅干しが大いに偉力を発揮し、家庭の常備食としてなくてはならないものになります。 相次ぐ戦争の際にも梅干しは軍糧として重用され、日露戦争の頃には「日の丸弁当」が登場し、愛国心と質実剛健 の象徴とされました。 そして昭和も戦後になると、欧米化志向の風潮のなかでしばらく軽視される傾向にありましたが、近年慢性病問題が大きな関心事になるにつれ、伝統的なこの梅干しが、健康食品として再び脚光を浴びつつあります。 ウメには、梅干し、梅肉エキス、梅酢、梅酒など、いずれもずぐれた薬効がありますが、なかでも梅肉エキスは即効的な面から見ても特にすぐれているようです。 作り方は、生の青梅をすりおろし、汁を陶器か耐熱ガラスの鍋に入れ、とろ火で蒸発させます。 以下、各種の文献、それに近代医学で明らかにされたウメの薬効について列記してみます。 疲労、肩こり、便秘、下痢、食中毒、疫痢、腸チフス、赤疫、腹痛、動脈硬化、脳出血、狭心症、心筋梗塞、神経痛、リウマチ、冷え症、喘息、頭痛、歯痛、回虫駆除、乗り物酔い、口臭、血液の酸化防止、食欲増進……など、まさに。 万能の薬効食品塩です。 現在のアルゼンチンは、欧州諸国がもっているのと同じ広さの牧場を保有している。 そして、こんにちの欧州諸国が飼っている牛の数は、ローマ帝国全盛時代の全欧州の牛の数よりも多い。 また、テキサス州だけで、中世のあいだアフリカ全土、欧州の地中海沿岸の諸国やアジアにいた匹数よりも多くの牛を飼っている。 世界の牛の数(飼いならした動物スイギュウを除く)は八億匹と推定されており、その三〇パーセントは米大陸の「牛の国」で飼われている。 米合衆国 九五〇〇万匹 ブラジル 六〇〇〇万匹 ァルゼンチン 四五〇〇万匹 コロンビア 一五〇〇万匹 メキシコ 一五〇〇万匹 カナダ 一二〇〇万匹 一億六〇〇〇万匹の牛を保有するインドだけが、米合衆国をしのいでいる。 欧州ではロシアが一番で、約七〇〇〇万匹の大部分をアジア寄りの地域で銅っている。 ドイツ連邦共和国[東ドイッ]は約一七〇〇万匹を保有し、 欧州で第三位にランクされる(第二位は仏)。 南米の牛肉は冷凍され、専用の冷凍船で世界中の多くの工業国に輸出されている。 |