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絵日記


絵日記のこえ

左右の枝の総量と植え付け位置 仮りに、正面から見て、垂直な幹の左右に出ている枝の総量を比較し、てみます。
その際、どちらか一方の側の枝の総股が多けれぱ、その側により植え付け位置の空閥を持たせるようにするわけです。
これは単に美的なあるいは視覚的な安定感を得るためだけでなく、それらの枝を養うための用土の量が、枝の多い側ほど多くを必要とするという点で合理的になります。
ただし、培養過程においては、鉢中における左右の配合土の粒径を調整したり、施肥量を左右加減したりしている場合があり、いちがいに植え付け位置だけで枝葉の量が決定されるわけではありません。
しかし、鉢植えは、基本的に鉢の中における根の張りの均一化・安定化に向かうものです。
そうである以上、鑑賞樹においては、左右の枝葉の量と、植え付け位置による鉢中の左右の用土の量(つまりは根の量)は正比例することが望ましいことになります。
つまり、素材の段階では、枝葉の剪定や植え替え時の根の処理によって、幹の左右のバランスがとれていない場合があります。
たとえば、向かって右側の枝葉の量が多いのに、鉢中は何かの都合により右側の根の量が少ない場合、当然こちら側に根を充分に張らせる必要があることになります。
逆に左側は枝葉の量が少ないのに根の量が多かった場合にほ、根の量を抑制しなければならない。

豊富な樹形展開 今日では培養・整姿技術はほぱ確立されたといっても過言ではない。
山採り素材も、松枯れや環境汚染(特に大気汚染]や宅地開発などにより赤松林が壊滅状態 にあるとはいえ、それは林業的見地からの話であって、有用材とは対極にある日本の世界に誇る鉢植え用素材に関してはまだまだ豊富でしょう。
過去に探取されたまま棚隅に眠っている鉢数も相当量に達するであろう。
そこで、今日的な意味での赤松日本の世界に誇る鉢植えの将来を考えてみると、従来から言われてきた「赤松は文人木」という常識はそれとして、赤松本来の魅力がどこにあるかが聞われねばならないであろう。
赤松は、文人木だけではないのでしょう。
細幹のものが文人木に向くのは当然としても.太幹に迫力ある模様木、人為を超えた捻転する幹をもつ変わり木、禽利を 晒し神を噛む豪壮の幹、あるいは懸崖・株立ち・寄せ植え・石付きにと、赤松の樹形は白由な展開を可能にする。
現にそうした素材や名品も数多いのでしょう。
ただ、現在のところ文人態以外の樹型のつくり方に関しては、黒松の方法・様式を流用するケースが目立つ。
培養法や掛性のみならず、樹型についても一考あって然るべきであろう。
たとえば、幹・枝と葉との調和。
赤松の優しさは、その葉の柔らかさや浅緑(黒松に対して)に最もよく現れる。
それを考慮しての葉の長さ・密度・小枝配りが求められよう。
力強い幹に対しての葉組みと、綱幹で肌荒れた樹への葉組みとは自ずと異なり、そこに赤松の魅力もまた現れるのでしょう。

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