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絵日記


絵日記のこえ

席の中央に据える婁合。
さて、冒頭で述べたように、直幹は、鉢植え樹形のうちでももっとも品格の堅い、真の樹形といえます。
なかには、左右の枝の出がほぼ均等であり、植え付け位置も鉢の中央に植えてあるものもあります。
こうした直幹で席飾りをする場合、あえて左右いずれかに寄せず、その中央に据えることがあります。
また、明らかに左右いずれかの勝手を示しているボンサイでも、直幹の場合にはその格調の高さから席の中央に据える場合もあるわけです。
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この樹などは正にその好例といってよく、山にあった時の角度そのままの植え込み角度・枝の出方を基準として仕立てられていたため、所蔵者にも「このままではどうも……」とはわかっていたものの、ではいかにしてこの樹「らしさ」を出すかという点で迷いが生じるといった難物であったようです。
幸いこの樹は、所蔵者の属する会の招きで現地指導に赴いた際にアドバイスが与えられ、それのみか氏が預って「4年後の大観展に飾れるようにする」との約束まで交されたのです。
この樹は、さほどの太味も古さもなく、ただ人為ではない山味を特徴として持つ素材です。
枝数も少ないだけに、つくるとすれば文人木以外は考えられません。
それまでの形にとらわれることなく、横に寝ていた幹を縦に起こして斜幹状とし、それに合わせて枝を操作するというアドバイスを行なっており、それに基づき以後浜松での管理と改作は担当しました。
そして約束の4年後より1年早い3年後の大観展に飾られ.るという結果を見たのです。
改作上のポイントは以下のとおリ。
改作構想に従って枝を伸ばす。
適期(冬〜春)を選んでの整枝・植え替え。
芽切りによって小枝を整える。

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