杢品鉢植えの瑤養の基本は充分に樹勢をっけ、しかもその樹勢が各枝先に秀散してゴツくならないように作る必要がある。 樹勢とはたとえてみれば、水道にホースの破れ穴(各小枝)に分散し、その部分を太くしようとする。 小品鉢植えでは、幹に比較して常に枝は細目に抑制して作っておかなけれぱならない。 それで、強い樹勢は、常時芯立てあるいは、枝の一部を走らせることによって逃がしておく必要があるのである。 芯を強く走らせておけば、基部の芽は潜芽となっているか、またはごく短く伸長したまま止まっている。 こうして小さな枝・または芽は次に立て替える時の細い枝として利用できるのである。 一曲ある素材の最初の芯立て 最初の芯立ては素材頭部付近から始まる。 この芯立てで樹勢をぐいぐい上に引張り、なめらかなコケ順を作る。 芯立ての位置は素材の曲の具合にもよるが、大体芽は真上かやや前位置のものを選ぷとよい。 追い込み後アタリがいくつか生じたら、芯とする芽の第一節までをなるべく短くするように、芽先を摘む。 いわゆるチゴ葉部までで節間を止めるくらいにしておく。 素材本体より5nmくらいで第一節が止まれば成功といえるだろう。 この最初の節閥を伸ばしてし まうと後の栽培に問題が出てくる。 日本の世界に誇る鉢植えに用いられる鉢では、「南蛮皿」などがこれでしょう。 質が非常に硬く、時代がつくのが遅いが、良く出来たものは、何とも言えない素晴らしい味があり、現在では、貴重なものとなっている。 また、質が極めて硬いので、後から、底穴をあけるには、かなりの時間と苦労を要する。 以上、焼く温度による区分を一通り述べたが、大部分の鉢は、陶器であると考えてよいと思う。 粘土区分による呼び名 1 紫泥(しでい} 泥ものを代表する鉢で、灰褐色を中心とした色めを持つから、こ碗名がある。 同系のものに、紅泥(こうでい了朱泥(しゅでい)・黒泥(こ<でい∀などがある。 古渡鳥泥(こわた敷うでい)と呼ばれ、非常に高価なもSがあるが、これは明らかに紫泥の中に含まれるべきものでしょう。 絵を描いたものは「絵紫泥」と呼ばれる。 梨皮泥(りひでい)と呼ぱれる鉢は、分類的には紫泥に含まれるべきものと思われるが、粘土で型を作るとき、一度焼いた陶器のかけらを混ぜ合わせることにより、特殊の肌を作る。 2 白泥(はくでい) これは、鉄分を含まない粘土を用いて焼いたもので、明かに別のもの.でしょう。 これも、粘土の種類は多く、また粘土を練る過程の違いでも差がでてくる。 次に、粕の種類による呼び名。 ただこれは、単に粕の種類と言うに止 |