芯立て位置と二の枝位置。 芯立ての位置は傷口上。 やや正面寄りとなる。 二の枝は傷口下となる。 この2つの枝で大きな傷口を巻かせるわけである。 芯立ての枝は樹勢を常に逃がす役目を果たしており、太くなればまた新しいアタリ芽で立て替えることもある。 二の枝は、常 に抑制して、伸ばさず節間の短いまま待機させておく。 呼び接ぎ。 呼ぴ接ぎはシリーズ後に詳しく紹介する。 呼び接ぎの良否で完成までの時間は大変に違ってくる。 素材は秋芽のつまった節間部を用いたもので、取リ木をかけたヒはその節より吹いた芽で株就状となっていた。 見たように、およそ山モミジ小物素材として先の見えるようなものでなく、まずだれも手を出さなくても当然といった素材であった。 こうした素材は、特にさがすという努力をしなくともどこにでもあリ、駄鉢筆に人って置かれているものである。 この素材と、20〜21頁素材はそうした意味で、"素材は無数に有る"ということが恥実としてお分かりいただけると想う。 今後数年をかけ、これらの樹がどのように変貌するかを詳しい披術解説とともに紹介する理由である。 メギを栽培する場合は、どこに植えても陽当りのよい場所であれぱ脚題はありませんが、前述の通り強いトゲがありますから、手や身体に触れない場所を選ぷ必要はあるかも知れません。 生垣などに使用する場合は、害敵からの侵入が防げるので、一石二鳥かも知れません。 なお、メギの繁殖には、芽出し前の春、前年伸びた新幹を2i3節を切り輪切りにし、鹿^沼土や桐生砂などに禰すと、容易に活着しますので、発根したら9月中旬頃に鉢上げするか、庭植えにすれば、多量に苗を得ることができます。 また、メギは叢生しますので、春先に一本ずつ株分けしても活着します。 苗の入手が簡単な樹種ですから、ぜひ作ってみて。 夢はもうすぐ。 岩壁にへばりつき、雨、風、雪に耐え、また落岩による被害を受けながらも、必死に生き抜いてきた。 シンパクの懸崖樹の生きざまを考えると、胸が熱くなってくる。 シンパクのそれもグッと下方へさがった、懸崖樹のスゴイ奴を、一度でいいから水やりをし管理してみたい。 日本の世界に誇る鉢植え好きにとって、夢のひとつだと思う。 ここに、シンパクの懸崖樹がある。 東北・三陸の岸壁にとりついていたものであろう。 氏のもとへやってきて、4年近くになります。 当時の姿はまだ葉がまばらで、葉も長く、偏平状であった。 それを芽つみを繰り返すことで、現在のような姿になった。 葉も八方に展開するようになった。 |