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絵日記


絵日記のこえ

素材。
素材の元の状態は先に述べたように指程度の折れまがったものであった。
イラストに見るように、r字形の角の部分にも傷があり、本来ならば山モミジ小品となるような素材ではなかったのである。
事実、棚場に置かれていたその素材に、だれも注意したものはなく、長く放置されていたという。
この素材から、基本型となる一の枝・二の枝・そして芯立て枝(頭部)と作り込み、技術的な確立をほぼ成したのである。
当初からすぐれた素材でもなく、しかもいままでの山モミジ素材にあきたらなかったお客さんの熱心さが、単にこの素材だけにとどまらず山モミジ全般の素材開発へと進んでいったのである。
イラストで見ると明らかだが、素材から、主に芯立てで樹勢を上へ上へと引きあげ、次第にコケ順、幹模様を作る様子がお分かりいただける と 上素材は・秋芽ヒして比較的つま戸.て陣長した部分の稜を取り木したものである。
取り木部分より上は株立ち状となっていた。
取り木後、イラストのように昏旋を切除し、その茎部より吹いたアタリ芽を利用して小枝としている.その状態がザルに入っているものである。
その後本格的な培養に入り、彊部付近からのアタリ芽を利用して芯立てしている。
芯立ての意味。
既に何度も芯立てという表現を使って樹形作りを説明してきた。
この小品山モミジのシリーズでは今後も何度も健用するので説明しておきたい.芯立ての意味は次のようである。
@素材の樹形決定の主軸となる、頭部作りを兼ねている。
A樹勢をそこに集中させ、またほ逃がしてやる役割。
引き裂いた水吸いの部分には、普 通、亀裂が生じないようラファイア を巻くのだが、片野氏はうすいゴム のバンドを巻き、曲げていった。
ゴ ムのほうが弾力性もあり、曲付けに は効果的。
ただし、この巻いたゴム は半年ほどで、かならずはずしてや る。
中がムしてしまうためだ。
また、針金かけと同時に芽つみも 行なって、葉先を揃えた。
芽つみは、ハ サミを使わず、手でムシリとってい く。
紐葉であるために、ハサミを使 うと、切った部分から茶色に変色し ていく。
芽つみは、葉をブロックご とに握り、その飛び出している新芽 を取り去る方法で行なうこと。
「やはり、作るとなるとシンパクがおもしろい」と氏は言う。
またひとつ、夢を追うことができるシンパクが、この世に作りだされた。
挿し木仕立てと花を咲かせるポイント 長寿梅の挿し芽の適期は、年に3回あるといわれる。
早春の2〜3月に古枝の剪定をしたとき、6月の入梅期、そして9月上旬でしょう。
もちろんそれ以外の時期に挿し芽しても活着しないわけではないが、挿し芽後の管理を考慮すると、前述の3つの時期が活着率もよく適期といえるのでしょう。
それぞれの時期に特性があり、2〜3月の場合は前年の新梢だけでなく、剪定時に切り落とした古枝(2〜3年枝)も利用することができ、双幹や株立ちなど変化に富んだ素材を得ることができる。

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