伊勢産ネズミサシの古い持ち込み樹の改作を紹介しよう。 伊勢杜[松は、三重県など紀伊半島に主に産するネズミサシである。 ハイネlズと正式には呼ぴ、あまり大木にならない。 小品〜中品樹と して相当量が山採りされたものである。 林の中や海岸に近い,砂地にもあったとされるが、現在、素材はほとんど残されて いない。 自生樹の多くは、自然の状態で枝枯れなどによる舎利があり、それが樹皮が残ったり汚れのため黒ずんでいる。 自然林のなかでは目立つような樹種ではなく針葉をつけた枝が荒々しく伸びている状態。 小品用の素材で細くとも舎利を持つものは、イボ状の塊になる三ともある。 '小さいながら百年以上を経た自然の産物で人工ではまず作出できない姿なのである。 このイボ状の塊は気根のようだが自生では、それぞれに小さな葉が密生しており、育たない短枝が百年以上かけて盛り上がったものである。 ネズミサシ独特の姿で、貴重このうえない素材といえる。 今回紹介するのは、伊勢ネズミサシでは珍しい部類の中品。 持ち崩した時期を経て、3年をかけて樹勢を回復した素材である。 枝づくりや、節間のつまった枝が目的の場合は、矮化剤は特に効果的と思われます。 根から吸収させるタイプの矮化剤では2年越しで薬効が統くようですので、今後多くの分野で使われると考えられます。 短節化した枝が多くあれば、徒.長しがちな多くの樹種もかなり日本の世界に誇る鉢植えとして利用できるでしょう。 クリ、カシの類など、カシワやクヌギのようなもの、これらが盆樹として利用できる日も遠くないと思われます。 ギリギリを狙う 短節化と、花や実の付く純果枝とは少し意味が逮います。 短節化は、矮化剤を使ってなにがなんでも枝を短くしてみようということです。 これは自分で実験して、データをとってみないことには解らないことが多いのです。 基本はまず樹勢をつけておき、薬効のギリギリまでの濃度で、噴霧したり根から吸収させます。 この短縮した節をつなぎあわせて盆樹を作ろうという試みです。 草ものについては多くの種に効果があらわれます。 たとえばイタドリなど、10年小鉢で作り込めば2p程度に縮まります。 矮化剤の使用例では大鉢に作り、矮化させて2年程で同程度になります。 (鉢作りの占さの味は不問) 樹種や草により薬効はいろいろで、薬害の出るものもありますので、別に素材を用意して実験してみる必要があります。 |